春になっても溶けないで
悠は、窓から夕日を見つめていた。

暖かい光が、悠の顔を照らす。少し触れたら、崩れてしまいそうだ。


そう思ってしまうほど、悠は儚げだった。


「凛は、どうして欲しいの?」


ポツリと、悠が呟いた。そのまま体制を変えて、私の方を見つめてくる。



「えっと…。」


なんて言ったらいいのか分からなくて、言葉が詰まった。



「このままで、いいの?中本さんが、このまま呑気にいてもいいの?」


悠が、少し目を細めて言った。不機嫌そうだ。



「それは、嫌だ。」


ハッキリと言った。嫌だ。このままなんて、嫌だ。



私はこんなに苦しんだのに。中本さんに、『ごめんなさい』の一言も言われないなんて。






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