きらきら
そしてあたしは昨日初めて座った席につく。


出席番号2番、廊下側の前から2番目の席。

せいは…何番だっけ?

出席番号は分からないけど、1番後ろの席に座って黒板を見つめるせい。



そんなことを考えながら前を向くと前の席の人があたしを見る。


「なぁ、お前さっきの男と付き合ってんの?」


いきなりの質問に何も言えないあたし。



あたしとせいが?

付き合ってる?

そんなばかな~


「ないないない」


あたしは手を左右にぶんぶん振る。

だってあたしとせいは幼なじみだし!!


「ふーん」


聞いたのはあっちのはずなのに、素っ気ない返事。


ていうか、誰?

座席表と学級名簿をよく見とけばよかった。


「朝田…下の名前なに?」

またまたいきなりの質問。

「え…えみ」

「えみなっ!!俺翔矢、秋田翔矢」


元気な声と無邪気な笑顔で言う秋田くん。

高校に入っての友達1号かな?


「秋田くんね!!了解~」


あたしもつられて元気よく。


「翔矢でいいよ?」

そう言われたけど、せい以外の男の子を呼び捨てにしたくなくて

「慣れるまで秋田くんにするよ」


と笑顔で答えた。

そっか、って答える秋田くんはさっきの元気が減ったみたい。
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