結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
あの日、彼がこの優しい曲を選んでくれたことを凛音は意外に思い、そしてちょっとだけ……うれしかったのだ。
凛音は黙って、心地よい調べに耳を傾けた。
曲が終わると、龍一は鍵盤を見つめたままぽつりと言った。
「あのとき、少しだけ凛音のお母さんとふたりで話す時間があったんだ」
「そうなんですか?」
それは驚きだった。よくも悪くも図太かった母親も、さすがに龍一には遠慮がちだったはずだから。
「軽井沢なんて地味だったかしら。彼女はそう言った」
龍一は苦笑して「正直、図々しい女だなと思ったよ」とこぼす。
「ご、ごめんなさい。母が……」
あの母親なら言いかねない。凛音は恥じるように身を縮めた。
「どうせなら海外の別荘がよかったという意味かと思ったんだが、違った」
「え、違うんですか」
凛音もそういう意味だと思った。母親は派手好きで、軽井沢よりパリやNYが好きだろう。龍一はゆっくりと首を横に振る。
「年頃の女の子はどういう場所を喜ぶんだろう。そう困ったようにつぶやいていた」
「年頃の女の子って、私のこと……?」
凛音は黙って、心地よい調べに耳を傾けた。
曲が終わると、龍一は鍵盤を見つめたままぽつりと言った。
「あのとき、少しだけ凛音のお母さんとふたりで話す時間があったんだ」
「そうなんですか?」
それは驚きだった。よくも悪くも図太かった母親も、さすがに龍一には遠慮がちだったはずだから。
「軽井沢なんて地味だったかしら。彼女はそう言った」
龍一は苦笑して「正直、図々しい女だなと思ったよ」とこぼす。
「ご、ごめんなさい。母が……」
あの母親なら言いかねない。凛音は恥じるように身を縮めた。
「どうせなら海外の別荘がよかったという意味かと思ったんだが、違った」
「え、違うんですか」
凛音もそういう意味だと思った。母親は派手好きで、軽井沢よりパリやNYが好きだろう。龍一はゆっくりと首を横に振る。
「年頃の女の子はどういう場所を喜ぶんだろう。そう困ったようにつぶやいていた」
「年頃の女の子って、私のこと……?」