天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 カークが騎士達と剣術の稽古をしている間、ミリエラは父の仕事部屋で錬金術の本を次から次へと引っ張り出していく。

(ボルケーノスライムの魔石……でもいいんだけど)

 何枚かだけ作った保温布は、保冷布の応用で作ったものだ。火山地域に生息し、熱を帯びる性質を持ったスライムの魔石を使用した。

 熱を持続させるという意味では、ボルケーノスライムの魔石は非常に使い勝手がいいのだけれど、問題がひとつある。

 火山地域で生活しているため、魔石を取りに行くのが大変だ。普通のスライムより生息数も少ない。そのため、作るとなると高価なものになってしまう。

 保温布が保冷布ほど出回っていないというのには、そうした事情もあった。

(できれば、皆が使いやすいお値段になるといいんだけど……難しいかなぁ)

 今は侯爵家の令嬢であるが、前世のミリエラは一般庶民である。

 生活していくために夕食の材料に見切り品を買ったり、欲しかった服を諦めたりすることもあった。

 だからだろうか。どうしても、一般の人にも手が出やすい価格設定になるように──と考えてしまうのは。

「どうした?」
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