天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
(ライの名前を空中に書いたら、きっとびっくりするだろうな)

 となると、どう制御するのがいいだろうか。あと、完全に空中で消滅してもらわなければ困る。

「難しいねぇ……!」

 最初に唸ったのは、ミリエラだった。

 前世では花火玉の中に計算しながら火薬を詰めていくことにより、空中で綺麗な形になるよう仕込んでいたはずだ。

 成功か失敗か、打ち上げてみるまでわからない。職人の腕が問われるのだと、なにかの番組で見た記憶がある。

(でも、マナである程度制御できるはずだから……)

 マナを使えば、強引に制御できるはず。その制御の方法をどうするのかについては、考える必要があるけれど。どこから見ても同じに見えるようにするのはきっと難しい。

「ミリィ、いきなり難しいことに挑戦しなくてもいいんじゃないかな」

 急に黙り込んでしまったミリエラに向かって、そう言ったのはディートハルトだった。

「そうだな、まずはパーンって打ち上げることを考えようぜ!」

 ふたりの言うことももっともである。そもそも、打ち上げられなければ、花火にはならないのだし。

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