天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 バクハツノキとは名前の通り木に擬態している魔物である。

 ただの植物を装い、じっと動かないでいる。そして、獲物が通りがかると枝で捕食して食べてしまう魔物だが、実のようなものを枝の先につける。

 攻撃されると、その実を思いきり投げつけてくる質(たち)の悪い魔物なのだ。実はぶつかったところで思いきり爆発するため、当たった場所が悪ければ、死者が出ることもある。

 また、その実そっくりの卵をつける上に、繁殖力がかなり高い。

 なにしろ、一年もたたないうちに親と同じ大きさにまで成長するし、ひと月で十体ほど増えるからだ。

「バクハツノキは、駆除対象だったよね」

 ディートハルトは別の錬金術事典を開いた。事典によって掲載されている内容が少し違う。

 あまりにも数が多く増えるし、危険な魔物のため、各地の領主が責任を持って駆除することになっている。それこそ、魔石は売るほど出てくるはずだ。

「マナを流し込んで風属性を持たせたら、ボーンってなるんじゃない? ミリィ、どう思う?」
「他にはなにに使われてるんだっけ。いろいろな用途に使われてるなら、ミリィ達は使わない方がいいかも」

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