天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 バクハツノキの魔石は、さび止めの効果があるらしい。建築現場ではよく使われているそうだ。

 とはいえ、駆除対象なので見つけ次第駆除される。魔石が足りなくて困るということは今のところないらしい。

「なあミリィ、加工しない魔石ってどうなるんだ?」
「魔道具の動力源になることが多いかなぁ。でも、使い道がなかったら捨てるしかないよね。前、スライムの魔石がそうだったみたいに」
「なるほどー」

 すっかり事典を見るのを諦めたカークは、エリアスに寄り掛かりごろごろとしている。それでも、側にいたいという気持ちは変わらないらしい。

「エリアス、バクハツノキの魔石でいけると思う?」

 絵を描きながら、説明する。「下手だな」というエリアスの言葉は、耳に入らなかったことにした。仕方ないではないか、絵心までは持ち合わせていないのだから。

 地面に筒を置き、スイッチを入れる。そうしたら、底に圧縮された空気が爆発して玉を打ち上げる。

「ん? いけるのではないか? ただ、ミリエラの求めるほどの威力が出るかどうかはわからんなぁ」
「ホント? じゃあ、効果を高めるような措置をしないとダメなんだね」

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