天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 もうひとつ、ライナスに挑戦してみてもらいたいことがあるのだ。

 王妃がそれを許すかどうかはわからないけれど。

 今回も王妃達は、侯爵家の別館に宿泊することになっている。王妃があまり王都を留守にしているわけにもいかないから、今回は一泊だけ。

(喜んでくれるといいな)

 と思いながら、ミリエラ達は一行を出迎えた。

 今回は、前回のような派手な歓迎の式典は用意されていないから、直接、屋敷に馬車をつけてもらう。

「兄上! 会いたかった!」

 馬車を飛び降りるなり、ライナスはディートハルトに飛びついた。飛びつかれたディートハルトの方も嬉しそうである。

 父が王妃に声をかけ、大人同士がやり取りをしている間も、子供達は大騒ぎであった。

「ライナス、一緒に花火を作らない?」

 ディートハルトの誘いに、ライナスは嬉しそうな顔をする。

「でも、危なくないかしら? 花火って火薬を使うのでしょう?」

 父との話を切り上げた王妃が、こちらに加わる。複雑な表情をしているのは、花火と言えば火薬を使うからだろう。

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