カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない~
「あのね、蒼空」
私がどうしてこの選択をしたのか。
自分にだって理解できないことがあるけれど、ちゃんと言葉にしてみよう。
「確かに私は最初、ただのその場しのぎにすぎないんだから、協力してもいいかなって思ったの」
「そうだよね……」
「でもね、婚姻届けにサインしたとき、本当にそれでもいいかなって自然に思ったの」
おばさんの勢いも確かにすごかったけれど、こんなに大切なことを、人に流されて決めたりなんかしない。
「どうしてそんな気持ちになったのかなって考えてたけど、結婚式の途中でわかったわ」
「途中で?」
「そう。ウエディングドレスを着た私の隣に蒼空がいる。その光景が思い出させてくれたの」
「なにを?」
「私、小さい頃は、この光景を夢見てたなぁって。私にとって蒼空は初恋の男の子なのよ」
「……え……」
「蒼空のお嫁さんになるんだって、ずっと思ってたの。もちろん子供の頃は、だけどね。それを思い出して、ああ、この選択でもいいのかなぁって思っちゃったのね、きっと」
驚きからなのか、言葉も発さず目を開いて私を凝視する蒼空に、はにかんだ笑顔を向けた。
「私が蒼空のことを好きだったのは子供の頃のことで、今の蒼空とは同じ気持じゃない」
今こんなことを言うのはどうかと思うが、私は蒼空を男性として意識したことがない。
私がどうしてこの選択をしたのか。
自分にだって理解できないことがあるけれど、ちゃんと言葉にしてみよう。
「確かに私は最初、ただのその場しのぎにすぎないんだから、協力してもいいかなって思ったの」
「そうだよね……」
「でもね、婚姻届けにサインしたとき、本当にそれでもいいかなって自然に思ったの」
おばさんの勢いも確かにすごかったけれど、こんなに大切なことを、人に流されて決めたりなんかしない。
「どうしてそんな気持ちになったのかなって考えてたけど、結婚式の途中でわかったわ」
「途中で?」
「そう。ウエディングドレスを着た私の隣に蒼空がいる。その光景が思い出させてくれたの」
「なにを?」
「私、小さい頃は、この光景を夢見てたなぁって。私にとって蒼空は初恋の男の子なのよ」
「……え……」
「蒼空のお嫁さんになるんだって、ずっと思ってたの。もちろん子供の頃は、だけどね。それを思い出して、ああ、この選択でもいいのかなぁって思っちゃったのね、きっと」
驚きからなのか、言葉も発さず目を開いて私を凝視する蒼空に、はにかんだ笑顔を向けた。
「私が蒼空のことを好きだったのは子供の頃のことで、今の蒼空とは同じ気持じゃない」
今こんなことを言うのはどうかと思うが、私は蒼空を男性として意識したことがない。