カモフラ婚～CEOは溺愛したくてたまらない～
その後は蒼空が準備してくれたお風呂に入り、キンキンに冷えたビールで乾杯した。

昨日とは違って、今夜は蒼空の部屋で、本当の夫婦としての二人きり。

懐かしい話をしながらも、緊張を隠すために口に運んでいたビールは、すでに三本目に突入していた。

そんなにお酒が強いわけでもないということは自分でもわかっているけれど、喉が勝手にアルコールを求めてしまう。

「もうそれくらいにしといたら？」

ソファーに並んで座っていた蒼空が、私を心配そうに覗き込んだ。

「大丈夫よ。そんなに酔ってないし……」

強気に返したけれど、さっきから頭がふわふわしていて、かなりアルコールが回っていることは自覚していた。

「でも、顔が真っ赤だよ」

そう言うと蒼空は火照った私の頬に手をやると、優しくゆっくりと撫でた。

少し冷たいその手が気持ちよくて、ついつい猫のように目を細めてしまう。

「そんな顔しないでよ」

蒼空がぐっと距離を縮めるものだから、不覚にもときめいてしまった。

「小学校の時は蒼空の方が小さかったのに。いつの間にか大きな手しちゃって」

軽口を叩かなければ、自分から蒼空の胸に雪崩れてしまいそうだった。

「そうだよ。だから今では、こんなこともできる」

蒼空がそう言った瞬間、私の身体はソファーに沈んだ。
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