恋した先輩には病みがある!?
そのせいかいつもより言葉がはっきりと出てきません。


「恋桃」


斗愛くんの整ったお口が今確かに「恋桃」という形を描きました。

生まれてきてこれほど自分の名前が大好きになったことはありません。


「なんでしょうか?斗愛くん」


先ほど斗愛くんが恋桃にした質問を返すと、斗愛くんはゆっくり恋桃を解放しました。

名残惜しそうに見えたのはきっと見間違えじゃありませんよね。

恋桃も最初は困惑しましたが、今は斗愛くんの体温を恋しく思います。

これは季節のせいなんかじゃありません。


「今日はごめんね、情けなくて」
「そんな!斗愛くんは情けなくないです!誰よりもかっこいいです」


急いで否定すると斗愛くんはきゅっと唇を結びました。


「ありがとう。俺は多分、恋桃が知らない奴と話しているのを見て・・・嫉妬したんだと思う」


!?!?!?!


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