最愛の日々にピリオドを、
「呉羽がゼミの先輩かなんかとふたりでキャンパスにいるの見てぶち切れたのとか、結構悲惨だったよな」
「誤解だって言ってんのに、全然話聞いてくんないし。挙句の果てに女友達に相談したでしょ、それ。本当にあり得ないと思った」
「自分がこんなめんどくせえとか思わなかったし、でもまあ呉羽もやきもちとか妬くんだあ、って嬉しかったけどな、結論」
「そっちこそ、気にしてないふりして勝手に拗ねるから、可愛いなって思ってたけどね」
「なんか、俺らって結構ラブラブだったんじゃね?」
「数時間前の会話思い出してみ」
「言わなかっただけで、たぶん俺も呉羽も、めちゃくちゃ好きだったんだろうな」
「言えばよかった?」
「わかんねえ。けど、言えない呉羽も可愛かった」
「ねえ酔ってんの?最後にデレデレしないでよ」
「最後だから言えること全部言っといたほうがいいだろ」
「………ほんと、調子のいい人」
最後、最後、最後。
そればっかり強調されなくてもわかる。自分に言い聞かせるようにそれを言ってることだって、解ってる。負けじと最後だから、と繰り返す自分が嫌い。取り返しはこれからでもつくのに、私たちはそれを頑なに選ぼうとしない。こんなに、お互いのことが好きだってわかっても、全部いまさらなのだ。
最後だから、答え合わせをする。最後だから、ずっと思っていたことを言ってみようと思う。最後だから、後を引かないように全部、喋ったことも、恥ずかしいことも、この場所に置いていけばいいと思ってる。