最愛の日々にピリオドを、



わたしのミュージックプレイリストには、夕雅の好きなバンドの曲がある。夕雅のプレイリストには、わたしが好きなシンガーソングライターの曲がたくさん入ってる。
夏にコンビニに行くと絶対にアイスの実を買う、缶チューハイはわたしが白ぶどうで夕雅はもも。顔に見合わず可愛い飲み物を飲んでるところだって、好きだ。
辛いのが得意じゃないわたしの作るカレーは甘口だけど、辛い物が好きな夕雅は文句言わずに食べてくれていた。
二日酔いの日に一緒に飲むみそ汁は、気づいたら絶対夕雅のすきな豆腐とわかめの組み合わせにしていた。
「てかさ」「えーきまず」みたいな、よくわからない口癖はどちらからか伝染してふたりしてそればっかりになった。
夕雅の歩く速度が遅いのは、長く一緒にいるための口実だって聞いてから、わたしも歩くスピードを遅くしてのんびり歩くのが癖になってしまっている。



わたしのこれまでの生活と、夕雅のこれまでの生活。
好きなもの、こと、癖、言葉、行動、合わせているわけじゃないのに同じになっていく。そんなことに自分たちは気づかずに、わたしたちは周りに指摘されて初めて気づいたり。一緒にいる時間が増えていくほど、夕雅が隣にいる生活が当たり前になって、それが心地よくて、ずっと続けばいいと思っていたし、ずっと続くのだと思っていた。



「考えてることとか、思ってること、一緒だからさ。忙しいを口実に使い始めたのも、同じタイミングだったよね」

「ちょっと一緒にいすぎたよな、けど離れたら離れたで、普通に無理だった」

「バイトばっか入れて、友達と遊んで、そっちがその気ならこっちもいいですよ、って振りしてた」

「俺も全く同じこと思ってたからな、まじで。飽きられたと思ってたのに、急に電話してきて、泣いてるから、バイト抜け出したんだよ俺」

「はは、焦ってたよね、あのときの夕雅」

「焦るだろ、呉羽が泣いてんだよ。しかも100回に1回くらいしか言わないのに会いたいとか言ってくるから、ああもう俺の負けじゃんって感じ」

「勝ち負けじゃ、ないし」

「うん、けど意地張るのはやめたんだよ、あれから」

「……うん、そうだったね」


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