孤高の脳外科医は初恋妻をこの手に堕とす~契約離婚するはずが、容赦なく愛されました~
術前訪問を終えて医局に戻り、僕はいつもと変わらず仕事に忙殺された。
新年早々、たっぷり十二時間労働。
マンションに帰宅した時は、明日執刀するオペのことで頭がいっぱいで、昼間鹿野さんに言われたことはすっかり抜け落ちていた。
だから、リビングのソファにうずくまるように座っていた霞を見ても、なにも警戒心は湧かなかった。
「ただいま」
声をかけると、彼女はピクッと肩を動かして反応して、そっと顔を上げた。
「お帰り。遅くまで、お疲れ様」
「ありがとう。シャワー浴びてくる」
三ヵ月の契約結婚期間となんら変化のない日常会話。
それでも、バスルームに向かう僕の背を、両膝を抱え込んだまま見送る彼女を振り返っていれば、少しは予測できただろうか。
シャワーを浴び終え、リビングに戻ってきた途端、僕がソファに押し倒され、腹に馬乗りになった霞からキスをされるこの事態を――。
「っ……、ちょっ、かす、みっ……」
霞のキスが上手いかどうかなんて、そもそも彼女としか経験がない僕にはわからない。
熱い舌で僕の口内を掻き乱すキスは、がむしゃら……いや、ヤケクソという形容が一番しっくりくる。
それでも、彼女からされているというだけで、僕の頭は真っ白だ。
新年早々、たっぷり十二時間労働。
マンションに帰宅した時は、明日執刀するオペのことで頭がいっぱいで、昼間鹿野さんに言われたことはすっかり抜け落ちていた。
だから、リビングのソファにうずくまるように座っていた霞を見ても、なにも警戒心は湧かなかった。
「ただいま」
声をかけると、彼女はピクッと肩を動かして反応して、そっと顔を上げた。
「お帰り。遅くまで、お疲れ様」
「ありがとう。シャワー浴びてくる」
三ヵ月の契約結婚期間となんら変化のない日常会話。
それでも、バスルームに向かう僕の背を、両膝を抱え込んだまま見送る彼女を振り返っていれば、少しは予測できただろうか。
シャワーを浴び終え、リビングに戻ってきた途端、僕がソファに押し倒され、腹に馬乗りになった霞からキスをされるこの事態を――。
「っ……、ちょっ、かす、みっ……」
霞のキスが上手いかどうかなんて、そもそも彼女としか経験がない僕にはわからない。
熱い舌で僕の口内を掻き乱すキスは、がむしゃら……いや、ヤケクソという形容が一番しっくりくる。
それでも、彼女からされているというだけで、僕の頭は真っ白だ。