因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
俺は意気揚々と画面を操作し、スマホ裏側のライトを点けた。
「きゃっ、ま、眩しい……っ」
「ああ、すみません。点ける前に予告するべきでした。……しかし、これで怖くはないでしょう?」
空木先生はまだ目がくらんでいるらしく、目を細めて瞬きを繰り返している。
しかし、俺の腕に絡んでいた腕はほどけたし、一件落着。スマホというのは本当に便利なものだ。
「この便利な機能は、妻に教えてもらったんです。妻のお陰で苦手だったスマホもこうして人並みに使えるようになって」
空木先生に向けて話している途中、電話のアイコンに何件もの着信があったことを知らせる赤いマークが付いていることに気づく。
消音にしていたので気づかなかったらしい。
「和華……?」
確認してみると、すべてが和華からの着信。
なにかあったのではと心配になり、俺は電話を掛け直すべく、足早に会場の出入口を目指す。
「待ってください、醍醐先生」
空木先生が、つかつかと俺を追ってきて、目の前に立ちはだかる。