因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
『信じ切れなくて、ごめんなさい』
和華は涙声で言い、ぐすっと鼻を啜った。俺は目を閉じ、思わず首を左右に振る。
「きみが謝ることじゃない。俺の方こそ、こんな時にそばにいられず……すまない」
『光圀さんはお仕事なんだから、それこそ謝る必要ないです』
本当は泣くほど寂しいのに、俺の仕事に理解を示してそんなことを言う彼女が愛おしい。
「明日、帰ったらきみに大切な話がある。雪で遅くなるかもしれないが、どうか待っていてほしい」
『……私もです』
「え?」
『私も、光圀さんに大切な話があります。気づいたんです、自分の中に芽生えているものの正体に』
ひと言ずつ、噛みしめるように口にする和華。その台詞はまるで俺の胸中を代弁したかのようで、偶然の一致とは思えなかった。
和華も、俺と同じ気持ちでいてくれている……?
「じゃ、なんとしてでも帰らないとな」
『どんなに遅くなっても私はこの家でちゃんと待ってますから。気をつけて帰ってきてくださいね』
「ああ。心得た」
『じゃあ、おやすみなさい』
「おやすみ」