因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
瞬きをしただけで、幾筋もの涙が頬を伝う。それでも私がきちんと話すまで、光圀さんは待ってくれた。私はそっと、自分のお腹に手をあてる。
「私にこのまま赤ちゃんができなかったら、醍醐流を継ぐ人間が誰もいなくなってしまう。そうならないために、私はきちんと病院で診断を受けて、ここを出ていくべきなんだって、頭では理解できます。でも、光圀さんのそばを離れるって考えたら、胸が潰れそうに痛くなるんです……どうして光圀さんは家元なんだろうって、ひどいことまで考えてしまって……そんな自分が憎くて、つらいんです」
顎を伝った涙が、ぽたりと手の甲を濡らす。
できることなら、彼との子どもを純粋に望みたかった。
なのに、世継ぎを産むというプレッシャーに押しつぶされて、生理が来るたびに心が平穏でいられなくなる。
こんな不安定な母親じゃ、赤ちゃんが安心して来られないのも当然だ。
洟を啜ってさめざめと泣いていると、光圀さんが立ち上がり、私のそばに腰を下ろす。
そして懐から手拭いを出し、私の手に握らせた。