因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
朝食の後は、部屋に戻ってようやく荷物の整理をした。
すっきりした室内を見回し、「よし」と呟く。
段ボールが片付くと、小さな文机と棚、箪笥、上着を掛けるハンガーラックだけの、シンプルな部屋になった。
「机に花でも飾りたいな……」
暇を持て余しているし、花屋にでも行こうかな。
醍醐家でのんびり寛いでいても、楓子さんの嫌味攻撃の標的になるだけだ。
「和華さん、ちょっといいですか?」
出かける準備をしていたら、廊下から太助くんが私を呼んだ。
「はーい」
襖を開けると、和柄のエコバッグを手にした太助くんが部屋の前にいた。
「どうせ暇でしょう? 今夜の食材の買い出し、手伝ってもらえませんか?」
言い方は引っかかるけれど、暇なのは図星だ。
私も同じ家に住む人間なので、食材の買い出しを手伝わない理由もない。
「わかった。私もちょうど外出しようと思っていたの。ついでに花屋に寄っていい?」
「構いませんけど……早く済ませてくださいね」
太助くんの反応はドライだったが、花を買いに行くと思うと心が浮き立った。