因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
光圀さんとともに門の外まで招待客を見送り、それが一段落すると思わず息をついた。
空木先生はお手洗いに行っているのでまだ家の中にいるけれど、光圀さんの妻としての役目はほとんど終えたと言っていいだろう。
清々しい達成感とともに、どっと全身の力が抜ける。
「初めての香席、とても興味深くて面白かったですけど、やっぱり慣れないので疲れますね」
門の前で隣に立つ光圀さんを見上げ、力なく笑いながら正直に打ち明けた。
光圀さんはなにかを思い出したようにふっと目を細めて笑い、私を見つめる。
「だろうな。途中、隣にいるきみが痺れた足をさりげなく揉んでいるのに気づいた時は、笑いを噛み殺すのに必死だったよ」
バレていないと思っていたのに、光圀さんってば目ざとい。
「だって……あんなに長い間正座するの初めてで」
「わかっている。慣れない香席で、よく頑張ったな」
光圀さんの手が、ポンと頭の上に乗る。
そのまま軽く撫でられ、頬がじわじわ熱くなった。
「あ、ありがとうございます」