因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました

 光圀さんへの贈り物を選び終え、貴英と別れた頃にはだいぶ空が暗くなっていた。

 とはいえ、浅草の街にはまだまだ人出が多いので、とくに怖いことはない。

 光圀さんに【そろそろ帰ります】とメッセージを送り、徒歩で帰路に就く。

 大通りの歩道を進み、七~八分くらい経過したころだろうか。すぐそばの路肩に、黒塗りの高級セダンが止まった。

 どんなお金持ちが降りてくるんだろう。もしかして、芸能人かな?

 ミーハーなことを考えつつもジロジロ見ることはせず、そのまま歩き続ける。
すると車の方から「和華」と私を呼ぶ声がした。

 振り返ると、後部座席のドアが開いて、着物に羽織姿の光圀さんが現れる。

 驚いて立ち尽くす私に、彼はゆっくり歩み寄ってきた。

「光圀さん、どうしたんですか?」
「きみを迎えに来たに決まっているだろう。日が短い季節だ。なにかあってからでは遅い」
「大丈夫ですよ、こんなに人がいるし子どもじゃないんですから」

 街中を歩く人々を眺めて言うと、光圀さんはばつが悪そうに笑う。

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