因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
「きみを子ども扱いしているつもりはないが、俺自身が落ち着かなくてな。連絡をもらってすぐ、反射的に車を出してもらっていた」
醍醐家のガレージに停まっている立派な車、そして専属の運転手の存在も知っていたけれど、光圀さんが仕事で出かける時だけ使うのだと思っていたので驚いた。
プライベートで近所に出かけただけの私のために車を出してくれるなんて、庶民の感覚では少々もったいない。
その反面、過保護にされるのも悪い気分ではなかった。
「ありがとうございます。じゃ、お言葉に甘えて乗せていただこうかな」
「荷物を持とうか」
「あ、これはいいです! ……大切なものなので」
手に提げていた小さな紙袋を胸に抱き、首を横に振った。
袋の中身は、光圀さんへのクリスマスプレゼント。
正式に渡す前に持たせるわけにはいかない。
「俺には見せられないものなのか?」
「えっ?」
車に乗り込む直前、抑揚のない声で聞かれて彼の方を振り返る。
光圀さんは感情の読めない眼差しを私に向け、沈黙する。
「……いや、なんでもない」
つかの間見つめ合った後、光圀さんは目を伏せ、私を車内へ促す。
今のはなんだったんだろう……?
不思議に思いつつ、大人しくシートに腰を沈めた。