因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
醍醐家へ到着してすぐ、光圀さんに連れられて食堂へ向かった。
室内に一歩足を踏み入れた瞬間、私は目を見張る。
「わぁ、かわいい……!」
テーブルには小さなクリスマスツリー、壁にはサンタやオーナメントのカラフルなウォールステッカー、窓にはスノウスプレーが施してあり、すっかりクリスマス仕様の食堂になっている。
普段のインテリアが素朴な和風テイストなだけに、心が弾む。
「これ、飾りつけはどなたが?」
「家政婦と伊織が中心になってやってくれた。こんな風にクリスマスを祝った経験は俺の人生で一度もないが、それを話した途端、みんな妙に気合が入ってな」
壁に近づいた光圀さんが、雪だるまのステッカーをそっと撫でる。
なんとなくそうじゃないかとは予想していたけれど、本当にクリスマスとは無縁の人生だったようだ。
「じゃ、子どもの時にサンタクロースからプレゼントをもらった経験も……?」
「ない。誕生日プレゼントにも香道具をよこすような両親だったからな。小さな頃はそれが普通だと思っていたが、どうやら世間とはズレているらしいと気づいた時は、少しだけほかの家の子どもが羨ましかった」