桜の花びらのむこうの青
「待たせたね」
その人は懐かしい声でにっこり微笑んだ。
「省吾さん?」
以前よりも伸びた髪、無精ひげに少しこけた頬、それに……彼は松葉杖をついていた。
でも、間違いなく私の大好きな人。
私は人目をはばからず彼の元に走り寄り、その胸に抱きついた。
「よかったぁ……」
彼の胸でそうつぶやいた途端、今まで不安で不安でたまらなかった思いが涙となって溢れ出す。
「遅くなってごめん」
「帰ってきてくれたからそれでいいよ」
私は涙を拭わぬまま、顔を上げて笑った。
彼の体を支えながらゆっくりと席に向かう。
「足はどうしたの?」
「銃弾でやられた。幸い神経はやられてないからじき元通りさ」
彼は明るくそう言ったけれど、自分がその場にいて彼の支えになれなかったことが情けなくてまた泣けてきた。
「大変だったよね」
「撃たれた時はどうしようかと思ったけれど、真っ先に浮かんだのが君の顔。必ず戻るって約束が痛みに勝った」
「怖かったでしょう?」
「ああ、正直あんな恐怖は初めてだった」
「そんな目に合ってもまだそういう場所に行きたい?」
彼の少し疲れた顔を見つめながら、答えは間違いなく「行きたい」だろうと思っていた。
その人は懐かしい声でにっこり微笑んだ。
「省吾さん?」
以前よりも伸びた髪、無精ひげに少しこけた頬、それに……彼は松葉杖をついていた。
でも、間違いなく私の大好きな人。
私は人目をはばからず彼の元に走り寄り、その胸に抱きついた。
「よかったぁ……」
彼の胸でそうつぶやいた途端、今まで不安で不安でたまらなかった思いが涙となって溢れ出す。
「遅くなってごめん」
「帰ってきてくれたからそれでいいよ」
私は涙を拭わぬまま、顔を上げて笑った。
彼の体を支えながらゆっくりと席に向かう。
「足はどうしたの?」
「銃弾でやられた。幸い神経はやられてないからじき元通りさ」
彼は明るくそう言ったけれど、自分がその場にいて彼の支えになれなかったことが情けなくてまた泣けてきた。
「大変だったよね」
「撃たれた時はどうしようかと思ったけれど、真っ先に浮かんだのが君の顔。必ず戻るって約束が痛みに勝った」
「怖かったでしょう?」
「ああ、正直あんな恐怖は初めてだった」
「そんな目に合ってもまだそういう場所に行きたい?」
彼の少し疲れた顔を見つめながら、答えは間違いなく「行きたい」だろうと思っていた。