海であなたが救ってくれました
「ちょっと多かったかな?」

「俺、大食いだって言っただろ? 楽勝だよ」

「よかった。モリモリ食べる人、好きだなぁ」


 思わず本音が漏れたのだけれど、私のつぶやきを聞いた彼は箸の動きをピタリと止めて固まった。
 照れているのだろうか。そんなふうに態度に出されると、私も一気に羞恥心をあおられてしまう。


「ちゃんと言う」

「……え?」

「俺、琉花さんが好きだ」


 彼の真剣なまなざしが私の瞳を射貫いて離さない。


「出会ったばかりでなに言ってるんだって思うかもしれないけど、俺と付き合ってほしい」


 どうかしているというなら私のほうなのだ。
 私は四年間付き合った恋人と別れて気持ちの整理がついていない状態で、あなたに惹かれたのだから。

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