赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


立食形式だけれど、麻里奈ちゃん側の気遣いで窓際に専用のソファを用意してくれたので、私はそこに座りながら匡さんが持ってきてくれた軽食を頂くという、なんとも贅沢な状態だ。

お腹の赤ちゃんは六カ月に入りもうとっくに安定期に入ったというのに、匡さんだけでなくなぜか麻里奈ちゃんも相葉くんも未だに私を腫れ物のように扱うのは、初期の悪阻が相当ひどく入院騒ぎにまでなってしまったのが間違いなく原因だった。

何を口にしても戻してしまい、水分すら接種できず、そんな状態じゃ赤ちゃんが死んじゃうんじゃないかと取り乱して泣き出すという日が何日も続き、結果半月ほど入院となった。

点滴を受けているうちにメンタルは少しずつ回復していき、それに伴い体調も徐々にだけれどよくなっていった。

退院して家に戻ったときには、滝さんやシェフの方が相当熟考してくださった様子の栄養満点でかつ消化のいいメニューが並べられ、滝さんにじっと見つめられながら食事をすることとなった。

それでも、それから一カ月ほどはベッドとトイレの往復で精一杯な生活だったので、匡さんにはもちろん、滝さんたち使用人の方にも相当な心配をかけてしまった。

漠然とだけれど、体調不良とは無縁の人生を過ごすと思っていたので、私自身、そこまで体調もメンタルも崩すのは驚いたし、妊娠出産を甘く見てはいけないのだと認識するきっかけとなった。


< 236 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop