赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


「妊娠中らしいけれど、それは本当に匡との子なのかしら。妊娠中でもDNA検査はできるし、一度しっかり調べておいた方がいいんじゃなくて? 私、この結婚は最初から桧山家の財産目的に思えて仕方なかったのよ。だって、あなたの家の事情のせいで、きちんとした結納だって取り交わされていないんでしょう?」

結納をしなかったのは事実だった。

匡さんからなしにしようと言い出してくれたのだけれど、おそらくうちの事情を考えてくれてのことだとはすぐにわかった。

結納をした場合、母や私が結納返しを用意する必要になる。桧山家相手の結納返しなんて、考えただけで恐ろしい額だし容易に準備なんてできない。

だから、匡さんはうちに負担がかからないよう、最初からなしにしたいと言ってくれていたのだ。

「私が家柄も気立てもいい子をたくさん紹介してあげたのに、適当に選ぶからこうなるのよ。まったく。子どもが生まれても、きちんとした結果が出るまでは匡も簡単に認知しないことね」

正直、匡さんに好きに対応していいとは言われたものの、私としてはそこまで正面から受けて立つつもりもなかった。

妊娠中の身だし興奮するのはよくない。

それに、祥子さんとは顔を合わせる機会だって早々ないから、その場さえやりきってしまえばいい話だ。だったら流した方が楽だと考えていたので、ヘラヘラ笑ってやり過ごそうと思っていたのだけれど。

覚悟していた以上にひどい言葉を言われ、思わず立ち上がる。


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