赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました
言っていいことと悪いことがある……と声にしようとした私より一瞬早く、匡さんが「ご自身がなにを言っているのかわかって……」と言いかけたときだった。
「ママ。美織さんに失礼なこと言わないで」
祥子さんの後ろから麻里奈ちゃんが現れた。
綺麗な赤い振袖姿の麻里奈ちゃんは、祥子さんを見て不快そうに眉を寄せる。
「美織さんは、匡くんの奥さんだよ。匡くんが選んだ人を馬鹿にするのは匡くんを馬鹿にするも同然だし、匡くんを好きな麻里奈のことも馬鹿にしてる。今日は麻里奈の誕生日パーティーなんだから、この会場で気分が落ち込むようなことしないで」
険しい表情で言う麻里奈ちゃんに、祥子さんは慌てた様子で「でも」と苦笑いを浮かべた。
「麻里奈だって匡が好きだったじゃない。ママはね、この人よりも麻里奈の方がよっぽど女性として魅力的だって言いたかっただけなのよ。だって、家柄だって学歴だって比べるまでもなく麻里奈が上じゃない。こんな、どこにでもいるような人……」
「麻里奈の大事な友達に、そういう言い方しないでってばっ」
麻里奈ちゃんが声を張り上げると、会場全体がしんと静まり返る。
麻里奈ちゃんが主役のパーティーだからもともと視線は彼女に集まりがちだったけれど、今は会場にいる全員がこちらを見ている状態だった。
BGMとして流れているジャズだけが聞こえる中、麻里奈ちゃんが続ける。