赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


「大丈夫だよ。最近は調子が戻ってきたの、麻里奈ちゃんだって知ってるでしょ」

麻里奈ちゃんは相変わらず週三ペースで桧山家に顔を出しているので、私の状態はよくわかっているはずだ。

「知ってるけど、麻里奈にとっては悪阻がひどい時期の美織さんの症状は軽くトラウマなんだもん。本当に死んじゃうかと思って、すごい嫌な思いしたんだからね。麻里奈が気になるから座っててよ」
「じゃあ、うん。ありがとう」

正直、ずっと座っているのもそれはそれで疲れるのだけれど、麻里奈ちゃんの言葉が嬉しかったので甘えることにする。

私の隣に座った麻里奈ちゃんは、「それより」と表情を明るくした。

「昨日、検診だったんだよね。性別わかった?」

祥子さんとは違い、純粋に性別がどちらなのかを楽しみにしている麻里奈ちゃんには、検診に行く度に聞かれている質問だった。

まだそこまで出ていない私のお腹をそうっとさすりながらワクワクした眼差しを向けてくる麻里奈ちゃんに首を横に振る。

「まだだって。次かな」
「次かぁ。早く知りたいなぁ」

二十歳の誕生日を迎え、綺麗な振袖を身にまとっているというのに、そう笑う横顔がまるで子どもみたいで笑ってしまう。


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