リスタート〜さよなら、私の初恋〜
いたずらっ子のような顔でそう言った瞬。

「え、そ、そんなことないし！？」

私は焦って否定した。そんなの、自分では今まで気が付かなかった。にしても我慢してる時に別にって言うのめちゃめちゃ子供っぽくて恥ずかしい。

「ばーか」

またも瞬は、いたずらっ子の顔で私の頭を優しくクシャクシャにしてきた。この距離感のせいで、私は何度勘違いしたことか。

「……やめてよ、しつこい」

彼女がいるのに私にこんなことをする瞬にいらつき、ついきつく言ってしまった。

「ちょ、ひな……？」

そばに居た紗奈が心配そうな声を出す。私は席を立ち上がり、紗奈に声をかける。

「紗奈、行こ」

どこに行くというあてもないのに、紗奈の腕を掴み強引に廊下に着いてきてもらう。紗奈はなんとなく察してくれたのか、静かに私についてきてくれた。

「え、ちょ、陽向！？」

瞬の私を呼ぶ声を背中で聴きながら私と紗奈は廊下に出て、人気のない階段の踊り場まで来た。
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