リスタート〜さよなら、私の初恋〜
「今からでも、遅くないかな」

瞬との回想から戻ってきた私は、紗奈の目を見て言った。思い出しているうちに、逃げたくなくなってきた。

「……うん、伝えたらきっと桐沢くん喜んでくれるよ」

紗奈は、なんのことか言っていなくても理解して、優しい言葉をかけてくれた。瞬に、告白したい。今までに何度も考えてきたけど、今までで1番強い決心だった。

「ありがとう、紗奈」

少し微笑みながら言った私に、紗奈も笑ってくれた。そういえば告白って、いつすればいいんだろう……。

「教室戻ろっか、ひな」

紗奈に言われるまで忘れていたけど、多分今頃HRが始まっているだろう。

「わすれてた…。紗奈、私のせいでHR遅れさせちゃってほんとにごめ……」

申し訳なくなって謝ろうとする私の言葉は、紗奈に遮られる。

「だいじょーぶ!HRに遅れるくらいなんともないよ」

にかっと笑いながらそういう紗奈に、ありがとうと小さく返事をして2人で教室に戻った。
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