ママの手料理 Ⅲ
やばい。
「何かさ、琥珀って常に死ね死ね言いたがるけど、本当に死にたいと思った人の気持ちを考えたことはあるの?」
「は?」
やばい、やばいやばいやばいやばい。
これは駄目だ、どうしよう何て展開だ。
そういえば、琥珀と仁さんは出国前に盗みに参加するかしないかで一触即発の喧嘩をして、それ以来まともに口をきいていなかったではないか。
それなのにここで2人が鉢合わせして、しかも仁さんがいつもなら交わすはずの琥珀の台詞に食ってかかった。
これは、確実に喧嘩が始まる。
「いやぁ、考えた事なんてあるわけないか。何てったって1番死ぬのを恐れてるのは君だもんね?」
「あ"ぁ?」
一瞬で、琥珀のこめかみにピキリと青筋が浮かび上がる。
2人は距離を空けて立っているものの、2人の纏う不穏なオーラが強いせいでいつどうなるか予測がつかない。
「2人共落ち着いて!俺、ちょっと湊呼んでくる」
するりとベッドから降りた大也が、珍しく焦った声を上げながら私の隣を通り抜けた。
開け放たれたドアの向こう、大也が湊さんの部屋をドンドンノックして言葉少なに事情を説明している声が聞こえる。
そっと仁さんの袖を引っ張ったけれど、彼は最早琥珀以外に注意を向けていないようで。
「何かさ、琥珀って常に死ね死ね言いたがるけど、本当に死にたいと思った人の気持ちを考えたことはあるの?」
「は?」
やばい、やばいやばいやばいやばい。
これは駄目だ、どうしよう何て展開だ。
そういえば、琥珀と仁さんは出国前に盗みに参加するかしないかで一触即発の喧嘩をして、それ以来まともに口をきいていなかったではないか。
それなのにここで2人が鉢合わせして、しかも仁さんがいつもなら交わすはずの琥珀の台詞に食ってかかった。
これは、確実に喧嘩が始まる。
「いやぁ、考えた事なんてあるわけないか。何てったって1番死ぬのを恐れてるのは君だもんね?」
「あ"ぁ?」
一瞬で、琥珀のこめかみにピキリと青筋が浮かび上がる。
2人は距離を空けて立っているものの、2人の纏う不穏なオーラが強いせいでいつどうなるか予測がつかない。
「2人共落ち着いて!俺、ちょっと湊呼んでくる」
するりとベッドから降りた大也が、珍しく焦った声を上げながら私の隣を通り抜けた。
開け放たれたドアの向こう、大也が湊さんの部屋をドンドンノックして言葉少なに事情を説明している声が聞こえる。
そっと仁さんの袖を引っ張ったけれど、彼は最早琥珀以外に注意を向けていないようで。