没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
その五冊の中に一冊だけ召喚術が書かれているものがあるそうだが、術式が載っていると思われるページは大昔に黒く塗りつぶされ読めないという。
バロ司教の慌てぶりや主張に不自然さは感じず、オデットは首を傾げてジェラールを見た。
(嘘をついていないようですけど……)
視線が交わると彼は微かに口角を上げる。
『まぁ見ていなよ』と言われた気がして、オデットは頷いた。
厳しい顔を作り直したジェラールが、さらにバロ司教を追い詰める。
「本当に? 証拠は?」
すると司教が急いで机に戻り、引き出しから紐で閉じた帳簿のようなものを数冊持ってきた。
「ここ数か月の訪問者記録です。どうぞご覧ください。隠したい交友関係などございませんので」
守秘義務があるから見せられないと言っていたバロ司教が、身の潔白を証明するために訪問者記録をテーブルに置いた。
してやったりとばかりに口角を上げたジェラールにオデットは感心する。
(殿下は最初からバロ司教が聖女を召喚したとは思っていなかったのね。記録を差し出させるためにあんなことを言って焦らせるとは驚きよ。私まで騙されたわ)
バロ司教の慌てぶりや主張に不自然さは感じず、オデットは首を傾げてジェラールを見た。
(嘘をついていないようですけど……)
視線が交わると彼は微かに口角を上げる。
『まぁ見ていなよ』と言われた気がして、オデットは頷いた。
厳しい顔を作り直したジェラールが、さらにバロ司教を追い詰める。
「本当に? 証拠は?」
すると司教が急いで机に戻り、引き出しから紐で閉じた帳簿のようなものを数冊持ってきた。
「ここ数か月の訪問者記録です。どうぞご覧ください。隠したい交友関係などございませんので」
守秘義務があるから見せられないと言っていたバロ司教が、身の潔白を証明するために訪問者記録をテーブルに置いた。
してやったりとばかりに口角を上げたジェラールにオデットは感心する。
(殿下は最初からバロ司教が聖女を召喚したとは思っていなかったのね。記録を差し出させるためにあんなことを言って焦らせるとは驚きよ。私まで騙されたわ)