没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
独り言のようなジェラールの感想にオデットは首を傾げ、バロ司教は無理して同調しようとする。
「言われてみればたしかにおかしい。研究と言うから数か月は借りたいのかと思っていたのに、たった四日で返却されました。一体なにがわかったと言うんじゃ」
「いえ、疑問なのはもっと根本的なことです。オリオン大学には宗教学や民俗学、歴史学など聖女に関わりそうな学科がありません。理系大学ですから。カロジオ教授の専門は物理学です」
人を疑わずのほほんと生きてきたオデットでも、カロジオ教授が嘘をついていると思った。
けれどもなんの目的があって嘘をついて本を借りたのかはわからない。
バロ司教も同じようで、腕組みして唸っている。
「どういうことじゃ……」
ひとりだけ正解に辿りついているような顔のジェラールが、ヒントだけ与えてくれる。
「オリオンは私設大学。経営しているのは誰かご存知ですか?」
「たしかインペラ公爵の弟君。宰相ですな」
(インペラ宰相。私は会ったことがない方ね)
それがなにかと司教は聞きたそうだが、ジェラールが話を変えてしまう。
「ところでバロ司教は聖女サラに会いましたか?」
「言われてみればたしかにおかしい。研究と言うから数か月は借りたいのかと思っていたのに、たった四日で返却されました。一体なにがわかったと言うんじゃ」
「いえ、疑問なのはもっと根本的なことです。オリオン大学には宗教学や民俗学、歴史学など聖女に関わりそうな学科がありません。理系大学ですから。カロジオ教授の専門は物理学です」
人を疑わずのほほんと生きてきたオデットでも、カロジオ教授が嘘をついていると思った。
けれどもなんの目的があって嘘をついて本を借りたのかはわからない。
バロ司教も同じようで、腕組みして唸っている。
「どういうことじゃ……」
ひとりだけ正解に辿りついているような顔のジェラールが、ヒントだけ与えてくれる。
「オリオンは私設大学。経営しているのは誰かご存知ですか?」
「たしかインペラ公爵の弟君。宰相ですな」
(インペラ宰相。私は会ったことがない方ね)
それがなにかと司教は聞きたそうだが、ジェラールが話を変えてしまう。
「ところでバロ司教は聖女サラに会いましたか?」