エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】  ~続編更新中~
「すっげー田舎だろ?」
「うん、ここまで来るだけで凄く大変だったけど、すごくいい眺めだったから疲れ吹き飛んじゃった」
「そう? 小さなころは何もなさ過ぎて不便に思ったことも多かったけどね」
「何もないのがいいんじゃない。景色を見てるだけで頭がスッキリして癒されるよ」
「あはは、そういう考え方もできるよな、ここから離れる時に同じ事思ったことあるよ」

北海道でしか飲めないビールで乾杯して、ミヲ君が見つくろってくれた肴に舌鼓をうつ。
やっぱり、彼が選んでくれるものにハズレはない。

「美味そうに食うよね、見てるだけで嬉しくなるもんな」
「だって、美味しいんだもん」

それに久々にミヲ君に会えたし。
それが関係しているともいえる。
嬉しすぎて体が浮いているように感じる。
っていうか、少し、ほんの少しだけでも浮いてる感覚がある。

浮き立つってまさにこのことか。

お互いの近状を話してお酒を呑む。
お酒は地元の清酒へと変わっていった。

「おいしー!!なにこれー!すごく高そうなお酒だねえ、白ワインみたい!ねえ?」
「―――でしょ?」

ん?ミヲ君が微妙な顔してる。
ちょっと声大きすぎたか。
困ったな、ちょっと酔ってきたからいつものように冷静さが保てない。

「葵、酔ってきたな?」
「うん、ごめん、ちょっと声大きかったね」
「そんなことない、居酒屋なんてみんなこんなもんだろ」
「いつもはもっといけるんだけどなー」
「疲れたんじゃないのか?」

それはあり得るかも。
プラスミヲ君に会えた嬉しさで体力が異常に消耗しているような気もする。

「もうそろそろ出よう。ホテルまで送っていくよ」

ホテル・・・これから?
今日、大丈夫だったっけ?
そこまで気を使ってなかったような気がする・・・。


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