エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】 ~続編更新中~
「慰めてくれてありがとう、元気出た」
「何もしてないけど?」
「ううん、してくれた。俺の為にどうしたらいいか考えてくれたでしょう?それで十分だよ」
ますます何言ってるか分からない。
「俺のこと、そういう風に見てくれる人、今まであまり居なかったんだ。俺はしっかり者の長男だからやることなす事、反対される事もなかったし」
そう言われてそうだろうなと思う。
何となくだけど、ミヲ君はどんな道を選んでもそれが正解に見える。
逆に考えれば寂しい思いをしてきたのかも知れない。
反対してくれる人間がいることは、決して不幸なことではない。
それくらい、大事に思われ心配されているということだから。
助手席の端ギリギリに座り直して彼に抱き着いた。
いや、彼の頭を抱いて首元に引き寄せたと言った方が正しいか。
小さな子にする慰めみたいなものだけど、どうにも彼が泣いているように思えて堪らなくなったんだ。
こうでもして、私がいつでもそばにいて甘やかせてあげるって想いが強くなって、気がついたら彼の後頭部に手をまわして引き寄せていた。