ゆっくり、話そうか。
きっかけはきっとそれ。
目が合うといつも絡めてくる。
欲や打算も邪もなく、ただ真っ直ぐ射抜くみたいに。
でも、暖かかった。
だから、逸らさせたくなくて、わざとやよいを見つめていた。
やよいから逸らせることなどないと、確信していたから。

やよいが誰かから告白されている場面を偶然見かけたときはもう、勝手に割り込みたくなるくらいに、やよいが心を埋めていた。

「まぁ、反応が面白いし可愛かったから苛めてたところもあるんだけどね」

泣かせても離れない。
ずっとそばにいてくれた。
泣き顔が綺麗と言うのは、多分怒るだろうから言わないでおく。
とにかくなんでもいいから構いたくて、そばにおいて欲しかった。

「なんで黙っちゃうのかな」

眉間にシワを寄せ、やよいの瞳の奥を見据える。
なにも言わなくなった事に不安を抱いた。
もしかして、とんでもなく引かせてしまったか、と。
だが視線は絡んだままで、やよいには困った顔だけが貼り付いていた。

「や、この展開でなんか、そういう類いの事言うたら自分の事売り込んでるいうか、なんか、弱みにつけこんでるみたいな気ぃして」

「なるほど?相変わらずそういうの…嫌いじゃないよ?」

「またそんな、そんなこと言う。この状況は期待してしまうやつやからあかんて、何回も言うてるのに」

最初に言ったのは、ここだった。
何度いったら分かるのか。

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