エリート警察官は彼女を逃がさない

そんな彼に、私もキュッと唇を噛んだ後謝罪をする。

「いえ、私も言いすぎました」
初めに疑ったのもこの人ではないし、きちんと謝罪をしてくれた。さきほどのセリフも本当のことだ。
「君が強いのはわかったけど、俺も男だ。今日のお詫びもかねて送らせて欲しい。頼む」
お願いをされてしまい、私は男性に誘い慣れていないせいもあり、うまく断るセリフが思いつかない。

そんな私の少しの隙を見つけたようで、二階堂さんは助手席のドアを素早く開くと私をエスコートして乗せてしまった。
あまりにもスマートなその行為に、私は成す術なくちょこんと高級車に納まった。

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