エリート警察官は彼女を逃がさない
普通の車だが警察関係の人の車に乗ることなど初めてだし、ましてや男性とこうして二人きりも生まれて初めての私は、ジッと同じ姿勢でただ座っていた。
仕事になればどれだけでもお客様と話ができるのに、やたらと緊張している自分に気づく。
「なんか警戒されてる?」
苦笑気味に話すその人は、プライベートなのか先ほどのように研ぎ澄まされた雰囲気ではなく穏やかな気がして少し安堵する。
「いえ、警察の方に連行されることなんてないから」
「連行って」
私の言い方が面白かったのか、二階堂さんは声を上げて笑う。
「今は仕事じゃないし、俺は交通違反とか取り締まりはしないよ。二階堂征爾といいます。本橋美緒さん」
「どうして?」
「自分でセキュリティーカードを見せただろ」
あれだけのことで名前を憶えていたことに驚くも、そのプロだったと思い出す。しかし、交番の警察官のように制服も着ていないし、ビシっとしたスーツ姿は警察官だと言われなければわからない。
仕事になればどれだけでもお客様と話ができるのに、やたらと緊張している自分に気づく。
「なんか警戒されてる?」
苦笑気味に話すその人は、プライベートなのか先ほどのように研ぎ澄まされた雰囲気ではなく穏やかな気がして少し安堵する。
「いえ、警察の方に連行されることなんてないから」
「連行って」
私の言い方が面白かったのか、二階堂さんは声を上げて笑う。
「今は仕事じゃないし、俺は交通違反とか取り締まりはしないよ。二階堂征爾といいます。本橋美緒さん」
「どうして?」
「自分でセキュリティーカードを見せただろ」
あれだけのことで名前を憶えていたことに驚くも、そのプロだったと思い出す。しかし、交番の警察官のように制服も着ていないし、ビシっとしたスーツ姿は警察官だと言われなければわからない。