雨降る日のキセキ
「ちーひろっ」


ポンッと頭に手が当たる感覚がして見上げると、夏菜が穏やかな笑顔を向けてくれていた。


「私で良ければいつでも悩み聞くからね」


「夏菜……」


千隼くんとの話は一人で抱えきれない。


もう、どうしていいか分からないんだ。


自分の気持ちも分からない。


「…ちょっと重い話だけど聞いてくれる…?」


「当たり前じゃん。教室じゃ話しにくいでしょ。屋上行く?」


夏菜に肩を抱かれ、そのまま教室を出る。


なんとなく千隼くんの視線を感じた気がしたけど、目を合わせることはできなかった。


そんな自分が嫌になる。


千隼くんだって、朝陽くんを殺そうと思って突き飛ばしたんじゃない。


そもそも歩道に乗り上げてきたトラックがいけない。


頭ではちゃんと分かってるのにな…。
< 275 / 336 >

この作品をシェア

pagetop