友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
「暗いっつーか、なんか深い闇抱えてそうな感じ?」

「ああ見えてケンカは強いらしいから、なにかされる前に、向坂さんもあいつとは関わらないほうがいいよ」


まだ一之瀬くんのことでわたしに忠告したそうに見えたけど、次の授業のチャイムが鳴ると、男の子たちは自分の席へと戻っていった。


確かに、髪も染めて、耳にはピアスもしていて、制服も着崩していて、見た目は校則違反だらけ。

1限の数学が終わったあとからどこかへ行ってしまって、それ以降の授業を受けていない不真面目な生徒だ。


だけど、男の子が噂するような悪い人とは思えなかった。


『ヤバイ』も『やらかしてる』も抽象的。

きっと一之瀬くんの見た目から、尾ひれがついているだけだろう。


それに、聞こえてくる話からすると、どうやら女の子の間では人気があるようだ。
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