呪われた令嬢はヘルハウスに嫁ぎます!
ロウさんが行ってしまい、邸は私と旦那様と何人いるか分からないお化けだけになった。



「リーファ、邸に入るぞ。…今からは何をするんだ?」

「掃除とレシピの確認をしようかと思いますが…。……っ!?」



見送りが終わり邸に入ろうと踵を返すと、旦那様の後ろの廊下をほふく前進しているお化けがいた。しかも下半身がハッキリせず、あるのか、ないのかわからない!



「旦那様…お化けは何人ぐらいいますか?」

「さぁ…外をうろうろしているのもいるから、ハッキリとは…」



見たことないお化けがまだいそう。

廊下からはジュリア様の甲高い笑い声が響き、やるわよー!と張り切っている。



「ジュリア様は何かご用でも…」



まさかお化け同士でデートですかね?

ぜひ楽しくデートしていて欲しい!



「…ロウは全く驚かないから張り合いがなくてだな…しばらくロウはいないから、気を付けなさい」



それは私がお化けの恰好の餌食と言う事ですかね。お化けの仕事到来と言う事ですかね?

ジュリア様はデートじゃないのですね?

その言い方だと、お化けはロウさんに遠慮していたのですね。



だからと言って、部屋にこもるつもりはない。白い結婚とわかればなおさら旦那様の為に頑張らなくてはいけない。

そうじゃなければ、只のただ飯食らいになってしまうから、私の気持ちなど関係ないのだ。



良し!やろう!と思ったら、目の前にガランと透けた骸骨が落ちてきた。



「キャー!」



目の前に骸骨が降ってきました!こんな経験はありません!

骸骨が落ちてきたのに、旦那様は微塵も驚きはしない。

骸骨は何事もなかったように頭蓋骨を拾い脇に抱えてどこかへ行ってしまった。



「旦那様…」

「掃除は止めて書斎でレシピを確認するか?俺も書斎で本を読むから…」

「はい…すみません」



旦那様に書斎に連れて行ってもらいロウさんから預かったレシピを確認すると、朝食、昼食、夕食ときちんと分けられており、わかりやすく纏められている。

私でも出来る物、なおかつ毎日同じ食事にならないように考えられていた。

旦那様はその間、ずっと書斎机で本を読んでいる。

もう夜も深く、旦那様はいつ寝るのかと不思議になる。



「旦那様…もうお休みになられた方が…」

「一人で大丈夫か?」

「大丈夫ですよ」



この邸に来てから、確かに脅かされて悲鳴を上げる私に何度も旦那様が駆けつけて下さいますけど、一人で夜を超えているので大丈夫です。



「なら、部屋まで送る。今夜は部屋でゆっくりしなさい」

「はい…」



言われるがまま廊下に出ると、またジュリア様が廊下の角から睨んでいる。

ジュリア様にとって廊下の角は定位置なのでしょうか。

そして、今夜はニヤリとされた。



ひぃーーー!!



お化けのニヤリは背筋がぞっとするくらい迫力があって怖すぎる!



「ジュリアは何を笑っているんだ?楽しいことでもあったか?」

「そ、そんな微笑ましい様子には見えませんが…」



何でしょう…この邸で育つと動揺というものが欠落するのでしょうか?

どこをどう見たら、怖く見えないのでしょうか?



旦那様の背中にしがみついてそのままジュリア様の横を通りすぎる。

怖くて旦那様の背中に顔を埋めていると、カリカリと耳元で壁を掻く音がし耳に残る。



この音は嫌すぎる!



そして部屋に帰り、旦那様もお休みになった。





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