ホ・ン・ネ ☆
「どうして怒っているか教えて?」

「……」

「おいっ!」

強く肩を掴まれた。

 振り向くと彼は辛そうな表情をしていた。

「なんで樹がそんな顔してるの? そんな顔したいのは私の方だよ! 凛の事ばっかり可愛いって言って、どうせ凛のこと好きなんでしょ?」

「はっ? そんな理由でイライラしてたの?」

「何その言い方!」

「俺、別に好きな人いるし」

「……」

「目の前に好きな人がいるの! そしてその人が一番可愛いし」

「……」

 お互い無言のまま向かい合っていた。

「樹、どうなった?」

後ろから手を繋いだ凛と湊が来た。
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