俺の側にずっといろ、生涯お前を守る
第五章 揺れ動く気持ち
私が真山さんに対してそんな気持ちを抱いているなど、想像もつかないお父様は、私に信じられない言葉を投げかけた。

「まりえ、見合いしてみないか」

「えっ、お見合いですか、急にどう言う風の吹き回しでしょうか」

お父様の考えに戸惑いを隠せなかった。

「わしもそろそろ年だからな、いつまでもまりえを守ってやれん」

「真山さんが守ってくれますから大丈夫です」

「真山くんはボディーガードだ、一生お前の側にいる相手ではない」

そうだ、彼は仕事で私を守ってくれているだけなんだ。

私は何を勘違いしたんだろう。

「では、来週あけておいてくれ、先方には連絡しておく」

「はい」

私は不本意ではあるが、お父様の顔を立てるべくお見合いを承諾した。

断ればいいんだもんね。

気楽に考えようとしたが、どうしても真山さんと一緒に居たいと願う気持ちが強かった。

実家の門を出ると、真山さんが車を正面に停めておいてくれた。

「お父様のお話は終わりましたか」

「うん」

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