俺の側にずっといろ、生涯お前を守る
真山さんは当たり前のように、助手席のドアを開けてくれた。

「どうぞ」

「ありがとう」

第三者から見れば、結婚した二人が実家に挨拶にきたような感じだろう。

でも、私と真山さんの関係は違う。

お父様は真山さんにどのような依頼をしたのだろうか。

そして、なぜ急にお見合いの話を持ちかけたのか。

私が結婚したら、真山さんと一緒にはいられない。

真山さんとずっと一緒にいるためには、ボディーガードの依頼を続けるか、真山さんと結婚するか、いやいやそれは無理がある、ボディーガードの仕事だから私を守ってくれているんだから。

「まりえさん、シートベルトを閉めてください」

「あ、うん」

何回やっても出来ない。

私が孫ついてると「失礼します」と言って真山さんは手を伸ばしてきた。

私と真山さんの顔が急接近する。

ドキドキする。

でもゆっくり離れた。

「食事して行きましょうか」

真山さんがニッコリ微笑んだ。

「うん」

私も頬の筋肉が緩んで笑顔を見せた。

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