紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】
「もっ、もしもしっ」
『もしもし灯ちゃん?今電話大丈夫?』
4日ぶりの和泉さんの声。
耳から心に流れ込んで、なぜかじんわり染みた。
「はいっ、大丈夫です!今比呂さんのバーにいて」
『……比呂くんの?1人で?』
「はい!何か今日は飲みたい気分で」
『……そこに比呂くんいる?ちょっと代わってくれるかな?』
「……はい」
なぜに比呂さん?
目の前の彼を見上げれば、思いの外真剣な表情でこちらを見ていた彼とバチっと目が合った。
「和泉さんが、比呂さんに代わって欲しいそうです」
「…オレ?」
こくりと頷いてスマホを渡せば、受け取った比呂さんが話し出す。
「もしもし、比呂ですけど。……はい。……はは、大丈夫です。……分かりました。……はい、了解です。はいはい」
何を話しているのかは分からないけれど、その様子を眺めていたら苦笑いを浮かべた比呂さんからスマホが返って来た。
「もしもし?」
『灯ちゃん、今日は比呂くんのところで何食べてるの?』
耳に馴染んだ柔らかい声が鼓膜を撫でる。