もしも半分生きた人生をやり直すことができたら。
・・・・・・・。
優作がいなくなってから、わたしは半同棲していた、元々一人暮らしだった自分が住むハイツの目の前で結構な時間放心状態のまま動けなかった。
「大丈夫ですか?」と制服を着た中学生くらいの少年に声を掛けられ、我に返る。
「あ、ごめんなさい。・・・どうぞ」
「・・・」
丁度オートロックの鍵を開ける目の前に立っていたからか、中に入りたそうな少年に睨まれた気がした。
気持ちが追いつけなくて、人目も気にせずハイツの玄関口の地面に座り込んだ。
なんて日だよ。
なんか無理すぎる。
吐きそう。
「お姉さんっ!!」
視界が暗くなるにつれて、少年がわたしに何か言っていたが、正直聞こえなかったし、覚えてない。
その日はどうやって家に入ったのか、化粧を落として寝たのか、膝とおでこに覚えの無い青たんがなぜできているのかさえ分からず、目が覚めたときには、朝になっていた。
朝起きて全開のレースのカーテン越しに見える朝陽の光があまりにも眩しくて、はじめて泣いた。
それは、最悪の誕生日が終わった翌日のこと。