社長っ、このタクシーは譲れませんっ!
 ある程度食べた将臣がようやく、新人たちに声をかけはじめた。

「会社には慣れたか?」
「なにか困っていることはないか?」

 そう訊いてくれる将臣に、みんな一生懸命答えていたが。

 千景はそんな将臣を眺めながら思っていた。

 まるで、自分自身に問いかけているようだ、と。

『会社にはまだ慣れてないし』
『八十島に常に見張られてるみたいで困ってるんだが……』
という将臣自身の答えが聞こえてくる気がした。




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