社長っ、このタクシーは譲れませんっ!
「フランス語の勉強とか?」
「フランス人の彼氏と電話とか?」

「ってか、『仏』長いよっ」

「それより、あんた、何時に起きてんのっ。
 これで間に合うの?

 私、五時半には起きてるわよっ」
とみんなからツッコミが入る。

「内容もどうかと思うんだが」
と八十島が呟いた。

「いい年した女性が一日の生活すべてを堂々と円グラフにできて。
 人に見せられるって言うのもどうかと……」

「八十島、こいつにミステリアスな部分とかあるわけないじゃないか」

 もれなく八十島に同調して言う将臣に、

 いや、だから、あなたがたは仲いいんですか、悪いんですか……、
と思いながら、千景はメモ帳をしまった。



< 108 / 477 >

この作品をシェア

pagetop