社長っ、このタクシーは譲れませんっ!
だが、扉が開いたのを見て、将臣が言う。
「……停電かと思った。
玄関ロビーがこんなに薄暗いのかと」
「地下ですよ」
「地下だな。
何故だ」
そりゃ、地下のボタンしか押してないからですよね、と思った千景を振り向き、将臣は言う。
「なんでお前、地下まで来てんだ。
下に降りるったら、普通、一階だろっ」
……いや、偏見ですよ、と思いながら、やかましい社長のために一階のボタンを押してあげてから降りようとすると、
「降りるのか、ここでっ」
と将臣は腕をつかんでくる。
「ここにも用事があるんで」
と坂巻から預かったメモを手に言うと、将臣は、チッ、という顔をしたあとで、
「しょうがない。
ついてってやる」
と言い出す。
「……停電かと思った。
玄関ロビーがこんなに薄暗いのかと」
「地下ですよ」
「地下だな。
何故だ」
そりゃ、地下のボタンしか押してないからですよね、と思った千景を振り向き、将臣は言う。
「なんでお前、地下まで来てんだ。
下に降りるったら、普通、一階だろっ」
……いや、偏見ですよ、と思いながら、やかましい社長のために一階のボタンを押してあげてから降りようとすると、
「降りるのか、ここでっ」
と将臣は腕をつかんでくる。
「ここにも用事があるんで」
と坂巻から預かったメモを手に言うと、将臣は、チッ、という顔をしたあとで、
「しょうがない。
ついてってやる」
と言い出す。