社長っ、このタクシーは譲れませんっ!
「まあ、お前だったらありそうだな。
 突き落とされたら、ぽよよんっと南の島。

 その素敵な靴とやらが、素敵な場所に導いてくれるんだろうから」

「そういえば、いつも猛ダッシュしてると、素敵なタクシーが現れますもんね」

 そう言いながら、千景は気づいた。

 そういえば、この靴でダッシュしてると、タクシーだけじゃなくて、社長も現れるな、と。

 だったら、素敵な靴が導いてくれた、素敵な社長になってしまうのだが……。

 急に黙った千景を将臣が見下ろす。

 だが、千景はその話はせずに、ははは、と笑って誤魔化した。


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